アサーティブネスは「私」を取り戻す力
- kkyoko8
- 6月28日
- 読了時間: 2分
アサーティブネスとは、自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手の立場も尊重し、建設的な関係を築くためのコミュニケーションスキルです。コーチングを学ぶ中でも、非常に重要なスキルの一つとして位置づけられています。
けれども日本の文化、特に女性にとっては、自己主張をすることに対して無意識のブレーキがかかる場面も少なくありません。年上や権威ある相手に対して「遠慮すること」「わきまえること」が美徳とされがちな風土が、時にアサーティブネスを難しくさせています。
そんな中、ある日弟が話してくれた昔話が、私自身のアサーティブな一面を思い出させてくれました。小学生の頃、弟と一緒に本屋で漫画を買った際、お釣りの代わりにクーポン券を渡されたことがありました。納得がいかなかった私は、本屋に戻って漫画を返し、現金で返金してもらったそうです。すっかり忘れていたエピソードですが、弟の記憶にはしっかり残っていたようです。
子どもの頃は、自分の気持ちを素直に表現する力が私にもあったのだと気づかされました。
この話を聞いて思い出したのが、心理学者キャロル・ギリガンの理論です。彼女は、女性は他者との関係性の中で自己を形成する傾向があり、11〜12歳頃を境に、周囲の評価を気にして自己主張を抑えるようになると述べています。精神科医・海原純子さんも、女性が「わきまえること」を求められる社会的圧力の存在を指摘しています。
私自身、思春期の頃には周囲に合わせることで自分を守っていた面があったように思います。でも、大人になった今だからこそ、あらためて思うのです。自分の考えや気持ちを抑えることは、自分の可能性を閉ざし、他人に自分の人生のハンドルを渡すことにつながりかねません。
アサーティブネスは、「自分のため」に行う自己主張であると同時に、相手にとっても大切なフィードバックを届ける手段です。ときにそれは受け入れがたいこともあるかもしれません。でも、それがきっかけで相手が成長する可能性もあるのです。
アサーティブな対話とは、単なる自己主張ではありません。自分と相手、双方にとっての「Win-Win」を目指す姿勢そのものです。自己表現と他者尊重、そのバランスをとりながら関係を築いていくことは、日々の暮らしの中でも、人生そのものにも豊かさをもたらしてくれるのではないでしょうか。










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