ホステスに向いている?―上司の一言が導いた道
- kkyoko8
- 6月28日
- 読了時間: 2分
今は亡き上司から、初期研修中にかけてもらった3つの言葉があります。その言葉たちは、今でも私の心に深く刻まれています。
最初の言葉は、「言い訳をしないところが良いよね」というものでした。当時、よく言い訳をする同僚の先生がいて、私はその姿を反面教師にしていたように思います。意識していたわけではありませんが、自然と「言い訳をせずに物事に向き合う」という姿勢が身についていたのかもしれません。
2つ目の言葉は、「身近に気難しい人でもいたのかな?」というものでした。そのとき、心の中で「それは父です」と、静かにつぶやいていました。私の父は昭和の典型的な亭主関白で、専業主婦だった母に厳しくあたることが多く、私はよく母の愚痴を聞いて育ちました。父の威厳は絶大で、幼い私はその機嫌を伺いながら、自分の意見を伝えたり、家庭の雰囲気を和ませようとする子どもでした。この経験が、今の私の対人関係のあり方に大きな影響を与えていると感じます。
3つ目の言葉は、「君はホステスに向いているね」というものでした。そのときは正直、意味がよくわかりませんでしたが、不思議と嫌な気はしませんでした。そして今、私はコーチングに取り組んでいます。これまでの医師としてのキャリアを活かして、女性医師や女子医学生を対象にしたコーチングを行いたいと考えています。
コーチとの対話は、男性がホステスに悩みを打ち明ける過程と、どこか通じる部分があるように思います。そう考えると、私は女性医師の方々にとって、ホステス、あるいはスナックの“ママ”のような存在として、寄り添い、話を聴くことができるコーチングが得意なのかもしれないと思うようになりました。
この最後の言葉は、今では私のコーチングスタイルの指針となり、心の拠り所になっています。あの上司からの何気ない一言が、これからの私の進む道を優しく照らしてくれている気がします。
最新記事
すべて表示これまでに何度か学会で座長を務める機会をいただいてきましたが、先日、特に印象に残る座長経験がありました。 私は座長をする際、その質問が演者にとって後の論文作成や考察に役立つようにと心がけています。特に、その症例の特異な点に着目して質問するようにしています。また、演者に失礼の...
アサーティブネスとは、自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手の立場も尊重し、建設的な関係を築くためのコミュニケーションスキルです。コーチングを学ぶ中でも、非常に重要なスキルの一つとして位置づけられています。 けれども日本の文化、特に女性にとっては、自己主張をすることに対して...
ある日、全身性エリテマトーデス(SLE)で治療中の女性患者さんが診察に来られました。年齢が近かったこともあり、彼女とはいつも世間話に花が咲き、診察室は穏やかな空気に包まれていました。病状は比較的安定しており、特に大きな問題はないように思えました。...
Comments